2024.12.23
妊娠中の運動てした方がいいのか?
するとしたら強度は?頻度は?
今回のテーマは妊娠中の運動についてです!
日本でのガイドラインとして「日本臨床スポーツ医学会妊婦スポーツの安全管理基準(2019)」が挙げられますが、参考文献としてアメリカ産婦人科学会(ACOG)ガイドライン2015年度版が採用されています。
今回はこれらのガイドラインを基準にお話していきます。
まず運動OK!の条件です
現在の妊娠経過が正常で、かつ以下の条件を満たしていること
1.後期流産、早産の既往がないこと
2.偶発合併症、産科合併症がないこと
3.単胎妊娠で胎児の発育に異常が認められないこと
4.妊娠成立後にスポーツを開始する場合は、原則妊娠12週以降であること
※妊娠16週以降には自然流産がほとんどなくなること、妊娠16週頃には前置胎盤の診断が可能なことから、スポーツの開始を妊娠16週以降とする意見もあります。
原則、妊娠16週以降で医師の許可が下りていれば、運動を開始してOKです。
そして原則、出産予定日まで(可能な限り)運動を行ってよいとされています(^^)!
次に運動強度について
1.心拍数150bpm以下
自覚的運動強度としては「ややきつい」以下が望ましいと言われています。
2.連続運動を行う場合には、自覚的運動強度としては「やや楽である」以下で。
☆分かりやすい目安としては、運動中でも会話が継続できるくらいの強度です!
(運動中の心拍数の基準はありますが150bpmまで追い込むのは、なかなか大変です(笑)
Apple Watchなどで心拍数を計れる方は150bpm以下を参考にしてくださいね。)
次に頻度・時間
1週間あたり合計150分、1日20~30分、ほぼ毎日
この基準は妊婦さんが運動によるメリットを得られる、平均的な指標となります。
↑結構ハードですよね…(^ω^)
ここまでできる人は少ないと思うので、実際は1週間の中で計画的に実践してもらって大丈夫です!
通勤や買い物で歩いた分も含めてもいいかな、と思います。
1回30~90分の運動を週2~3回を目標に!
運動する時間帯に関しては、午前10時から午後2時の間がおすすめ!
→子宮収縮の日内変動、および陣痛発来周期の検討から、子宮収縮頻度が少ない時間帯と言われています。
そして、どんな運動がいいのでしょうか?
ウォーキング、エアロバイク、有酸素運動、マタニティダンス・ビクス、マタニティトレーニング(器具を使用したもの)、ストレッチエクササイズ(ヨガ、ピラティス)、マタニティスイム
これらは妊婦さんが安全に、心身へのメリットが得られる運動とAOCGのガイドラインで定められています。
気をつける点としては
腹直筋離開を避けるために、腹直筋や腹斜筋を強く働かせるような動きは避ける方がいいです。
そしてお腹が大きくなってきたら、立って片足でバランスをとりながら行う動きや、左右非対称な動作はリスクもある為、きちんと指導できる指導者や施設の元で行うようにしてください(^^)
運動することで安産に繋がりますし、産後の回復もスムーズになりやすいです。
当院では妊婦さんに対しても治療や、運動指導も行っておりますので、気軽にご相談ください(*^^*)